(株)瀬川商店

  瀬川 清右衛門
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中小企業等協同組合法の第1条(法律の目的) には、「この法律は、中小規模の商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行う者、勤労者その他の者が相互扶助の精神に基き協同して事業を行うために必要な組織について定め、これらの者の公正な経済活動の機会を確保し、もつてその自主的な経済活動を促進し、且つ、その経済的地位の向上を図ることを目的とする。」とあります。

「相互扶助の精神」に基く組織は日本にも昔からありますが、現在の協同組合の運営スタイルを確立したのはロッチデール公正先駆者組合(1844年設立)であります。彼らはロバート・オーエン(1771~1858、イギリス、協同組合運動の創始者)の影響を受けていました。

また、ピョートル・クロポトキン(1842~1921、ロシア)によって、産業革命後の自由競争の行き過ぎを反省した『相互扶助論』が著されています。生存競争による生物の進化・弱肉強食・自然淘汰の考え方、特に人間社会への適用に疑問をもち、「競争は掟ではない。それは例外的な時期の動物間に限られている」「相互扶助と相互支持による競争の排除によって、よりよい状態が創り出される」と述べています。ウマ科の動物の共同防衛行動など、動物社会における相互扶助の事例を挙げ、続いて、人間の「村落生活における相互扶助の習慣」の例を挙げて説明しています。

ロッチデールでの成功に影響を受け、イギリスのみならず世界各地で協同組合が設立され、その組合運営の方式は「ロッチデール原則」と呼ばれています。ロッチデール原則は、民主的運営・自由加入制・出資金に応じた配当金・品質の純良・現金取り引き・教育の促進・政治的および宗教的中立などから成り、協同組合の経営理念を表しています。これが後に国際協同組合同盟(略称ICA)の協同組合原則の原型となり、時代の変化に対応して変化させ、現在では、1995年に採択された7原則が協同組合原則とされています。


<定義>
協同組合は、共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自治的な組織である。

<価値>
協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、そして連帯の価値を基礎とする。それぞれの創設者の伝統を受け継ぎ、協同組合の組合員は、正直、公開、社会的責任、そして他人への配慮という倫理的価値を信条とする。

<原則> 協同組合原則は、協同組合がその価値を実践に移すための指針である。
(第1原則) 自発的で開かれた組合員制
(第2原則) 組合員による民主的管理 (一人一票という)平等の議決権。
(第3原則) 組合員の経済的参加
(第4原則) 自治と自立
(第5原則) 教育、訓練および広報
(第6原則) 協同組合間協同
(第7原則) コミュニティへの関与

たのもし
2006年のノーベル平和賞は、バングラデシュの「グラミン(農村)銀行」とその創設者のムハマド・ユヌス経済学博士が受賞しました。無担保少額融資のマイクロクレジットと呼ばれるものです。
 
システムは違いますが、日本の「頼母子講」に類似性を指摘する方もおられます。鎌倉時代から行われたようで、はじめは共同体を基盤とする無利息融通の生活共済的なものでしたが、江戸時代には商工業者の事業資金融通の役割も果たしました。無担保の小口資金ですが、相互信頼によるもので「相互扶助」の精神に支えられたものでした。
 
また、日本にはお互いに労働力を融通しあう「労働力の相互扶助」システムとして「結(ゆい)」と呼ばれるものがあります。1日の労働は必ず1日の労働で返すのが原則で、金銭やモノで返済はできません。合掌造りで有名な白川郷では、屋根の茅の葺き替えを「結」で行っています。組合事業には「事業資金の貸付け等」もあり、競争原理だけではない「相互扶助精神」が人間の知恵として生きていると思います。